8月24日(月)

今日も暑い。

恩田陸『鈍色幻視行』下・読了。二週間の東アジアへの高級旅客船上でのインタビューが中心になる。どこか陳腐な風が吹くものの、「懐かしい死者たち」、「よっぽど生命力に溢れ、鮮やかに見え」て、「円環を閉じるその瞬間を、呆けたような顔で見届ける。」なんだか妙な展開だが、私はあまり得意ではないミステリながら、楽しめたことはたしかだ。

人参も二時間かけて素揚げするかくやはらかく甘きものなり

隠れ家のごとき森の中の蕎麦屋なり野菜の素揚も蕎麦もうまし

蕎麦すする妻もそしてこのわれもうましと笑ふ満足げなり

    *

『孟子』尽心章句下231 孟子曰く、「身、道を行はざれば、妻子にも行はれず。人を使ふに道を以てせざれば、妻子にも行はるること能はず」

己が道を行はなければ身近な妻子にも行はれず

    *

相馬御風編注『良寛和尚歌集』

のきも庭もふりうづめける雪のうちにいやめづらしき人のおとづれ

【語義】「いやめづらしき」、「いやが上にも珍しい」または「一層めずらしい」。

【評言】深い雪にうずもれた冬籠りのわびしさのうちへ思いがけなく人の訪ねて来た歓びをさながらに歌ったのであろう。「いやめづらしき人のおとづれ」にはいかにもよくその刹那の歓びが現れているが、「ふりうづめける雪のうちに」が力のぬけた憾みがある。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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