6月30日(日)

雲、ちょっと明る雲、雲……

  本を買ふも読めるかどうかわからずに柄谷行人回想録『私の謎』ひらく

  本屋へゆけば他の本も買ふたとへば丸谷才一『今は何時ですか?』

  岩波新書『中上健次 路地のビジョン』渡邊英理の一冊も買ふ

『孟子』尽心章句上181 孟子曰く、「之を行うて而も(あきら)かならず、習うて而も(つまび)らかならず、終身之に由りて、而も其の道を知らざる者、(おほ)きなり」

  実行してゐながら道理を知らず習熟していながら道を知らず

    *

『梁塵秘抄』植木朝子編訳

いざ寝なむ 夜も明け方になりにけり 鐘も打つ 宵より寝たるだにも飽かぬ心を や いかにせむ(二句神歌・四八一)

【現代語訳】さあ、寝よう。夜も明け方になってしまった。鐘も打っている。宵から寝ていてさえ満足できない気持ちなのに、ああ、こんな短い時間ではいったいどうしよう。

【評】愛欲に溺れ、逢瀬の短さを嘆く男の歌。二人の時間が瞬く間に過ぎるのを惜しみ、飽き足らぬ心を訴え嘆く恋の歌は多いが、「いざ寝なむ」という直截的な誘いに、短い言葉をたたみかける当該今様は、過ぎていく時間に対する焦りと、自分でも持て余すような欲情に悶える男の心を鮮やかにうつしとっている。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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