4月8日(水)

羽咋・金沢行一日目。晴れ。 県立近代美術館葉山   内間(うちま)安瑆(あんせい)・俊子の色彩豊かなる版画見むとす。その美しさ   色を織り、記憶を紡ぐ安瑆(あんせい)の浮世絵のやうなる版画の大、小   青や紫、黄色や橙...

4月7日(火)

雨が降りそうで、曇っている。雨が降るらしい。   葉山   波頭高く荒れたる葉山の海の色、雲を映してどんみりとする   白き花こぶしが惚け散りはじむ。葉山の町を通り抜けたり   嵡(こん)鬱(もり)した葉山の森に隠れしが...

4月6日(火)

朝から晴れ。   わが住むは地獄に近き処なり。さうにちがひなし嘘つきたれば   どうせ役に立たない老いの一人なり。つげ義春に倣ひ温泉旅に   寧楽の正倉院に蔵はれし桑木阮咸(くわきのげんかん)よ。音色聞かせよ 『孟子』万...

4月5日(日)

暖かくなるらしい。   わが歩む道の先には死の世界。否応もなく抗ひがたき 赤が印象的であった。   京の摺師にもとめし浮世絵。塀続くところに毀(こぼ)つ――錦秋ならむ   いづこにか光の国あり。老いぼれのわれには行けぬ山...

4月4日(土)

今日は雨らしいが、朝はまだ曇っている。   死者のこと思へば少し生き易きあの山越えて光の国へ   わが脈拍は時計の針の如くにて時を刻めりやがて終焉(おはり)へ   かくもかくも暴力に満つるこの世にてわれもまた加担する時や...

4月3日(土)

快晴です。   おでんの屋台に酒を飲む。誰かは知らぬが、隣りの女と   おそらくはこの世のものではなきものとコップ酒盈たし小さく乾杯   頬赤く隣の女立ちあがる少しふらつき闇に消えたり 『孟子』万章章句上130 万章問う...

4月2日(木)

今日も雨。   なにもかもが中途半端に終らんとす。われの一生不甲斐なきもの たたかふ仏像(静嘉堂文庫美術館)   広目天眷属立像のたくましき赤熱(しやくねつ)の色、眼(まなこ)怒りて   会場の木造十二神将立像(午神)の...